うみねこの世界階層ってどうなってんの?
メタメタな階層の世界構造が複雑に見える「うみねこ」。
実は非常にシンプルに解釈できます。
とりあえず基本的な世界構造は以下の通り。
【下位】現実世界(人間階層)<メタ世界(魔女階層)【上位】
人間たちの階層の上位に魔女たちの階層が存在するということです。
Episode2以降では事件の起こる人間たちの階層をメタ世界から魔女たちが俯瞰していましたね。
しかしEpisode3以降では1998年の未来世界が登場します。これはどう解釈したらいいのか?
これも同じ。
1998年の階層の上位にメタ世界が存在します。
【下位】1998年の世界(人間階層)<メタ世界(魔女階層)【上位】
ただし人間の世界には時間軸が存在します。
「過去」に対して「未来」は常にメタ的であるため以下の通りとなります。
【下位】1986年の現実<1998年の現実<メタ世界【上位】
Episode8のラストで登場する数十年後の世界も例外ではありません。
【下位】1986年の現実<1998年の現実<数十年後の現実<メタ世界【上位】
さて、ここで「でも過去のゲームは偽書であり、全て作中作なのだから”現実”ではない。つまりゲーム盤は”一なる真実”の下位に位置する?」という疑問がわいてくるかもしれません。
確かにメッセージボトルや偽書は安田紗代や八城十八の執筆した作中作です。
しかし我々が見てきたゲーム盤は現実階層の安田紗代ではなく、メタ階層のベアトリーチェが提示した物語だったはずです。
つまり以下のような対比が発生します。
【下位】作中作の世界(偽書階層)<現実世界(人間階層)【上位】
【下位】ゲーム盤の世界(駒階層)<メタ世界(魔女階層)【上位】
上記の二つの階層構造を一つにまとめると、
【下位】作中作の世界(偽書階層)<現実世界(人間階層)= ゲーム盤の世界(駒階層)<メタ世界(魔女階層)【上位】
となるのが分かると思います。
さて少し話を戻しますが、現実世界(人間階層)では時間軸が存在するため、同じ階層であっても「過去<未来」のメタ構造が発生していました。
同じようにメタ世界の内側にも階層構造があります。ただしこれは過去・未来の時間軸というよりも、「概念としてより超越的な魔女ほど高次に位置する」といった抽象的な話になります。
具体例の方がわかりやすいかもしれません。つまり以下のような関係です。
【下位】ベアトリーチェ<ベルンカステル・ラムダデルタ【上位】
ベアトリーチェが1986年の六軒島というゲーム盤に縛られているのに対して、ベルンカステルやラムダデルタは、より自由自在に時間や次元を超越することができ、1998年の縁寿にも干渉することができます。これは魔女世界の中でも彼女たちが高次の存在だからです。
現実世界にも階層の幅がある。メタ世界にも階層の幅がある。
ここで少しややこしい話をすると、未来に位置する【上位】の人間は、概念的に制約された【下位】の魔女と階層レベルで重なり合うことがあります。
これも具体的な説明の方がいいでしょう。
1986年の現実を俯瞰するという点でメタ世界のベアトリーチェと、1998年の縁寿はほとんど同じ位置に立っていました。
1986年のゲーム盤を階層レベル「1」とすると、1998年の縁寿の視点は階層レベル「2」、メタ世界のベアトリーチェも階層レベル「2」です。そしてベアトリーチェの上位に階層レベル「3」のベルンカステルたちが存在するわけです。
【下位】1986年の六軒島<1998年の縁寿=ベアトリーチェ<ベルンカステル【上位】
と考えると、数十年後の世界を生きる八城十八たちは、現実世界の人間ではあるものの、かなり高次の階層に位置していることになります。
では彼らが最上位の存在なのか? 残念ながら、数十年後の未来と比較しても上位の魔女がメタ世界には存在します。それこそがフェザリーヌです。
【下位】ベアトリーチェ<ベルンカステル<<<(越えられない壁)<<<フェザリーヌ【上位】
そもそもフェザリーヌとは何者なのか? 彼女を説明するためは現実世界の上位であるメタ世界を超越した「造物主階層」について語る必要があります。
造物主とは、一言で表すなら「ほぼ竜騎士07と同じ階層の存在」です。
メッセージボトルや偽書の作者は「人間」でした。ゲーム盤の作者は「魔女」でした。
そしてメタ世界を含めた「うみねこのなく頃に」という物語の作者が「造物主」なのです。
メタ世界までは「うみねこのなく頃に」という作品内に記述されていますが、造物主の階層はもはや作外の領域。だから物語に登場しない。
それこそがフェザリーヌの経験した「死」です。彼女は一度キャラクターの領域を脱してしまったわけです。
しかしフェザリーヌは「うみねこ」作中に登場します。キャラクターとしての復帰。彼女は再び物語の中に「生還」したのです。
だからフェザリーヌは元造物主であり、相当に高位な魔女ではあるものの、「うみねこ」の造物主ではありません。つまりフェザリーヌを物語に記述した何者かが存在します。
それが「造物主バトラ」です。この「バトラ」はEpisode6でゲームマスターに昇格したメタ世界の「バトラ」とは区別されます。
右代宮戦人に対して八城十八が存在することを考えれば、「魔女バトラ」に対する「造物主バトラ」がいても不思議ではありません。
もちろん彼は作外領域の存在であるため、作中で直接的な描写はありませんが、僅かながらヒントは散らばっていました。
一つ目はEpisode6のバトラに関するTIPS
全ての真実、真相を知っているため、彼の存在する層は、あらゆる者たちよりも上位である。
二つ目は Episode8の締めくくりに表示される以下の文章
この物語を、最愛の魔女ベアトリーチェに捧ぐ
これらから、最上位のバトラが「うみねこのなく頃に」の作者と仮定するのは妥当だと考えられます。
さらに作中では八城幾子が十八の影武者として偽書作家「八城十八」 を名乗っていたことも、ヒントと言えるでしょう。
つまりあからさまに作中の「神」役として登場しているフェザリーヌの裏に、真の神(最上位存在)が隠れているというわけです。
フェザリーヌが八城幾子に対応するならば、最上位存在は八城十八に対応する存在となるはず。
それこそが「造物主バトラ」なのです。
つまり、最終的な世界階層を簡単に示すと以下のようになります。
【下位】現実世界(人間階層)<メタ世界(魔女階層)<作外領域(造物主階層)≒竜騎士07【上位】