140字で足りないこと

最近「うみねこのなく頃に」を始めました。

「うみねこのなく頃に」で結局、真実として確定していることは?

全部です。以上。

 

 

……そもそも「うみねこ」の真実って何ですか?

 

たとえば、僕たちの生きている現実に何らかの事件が発生したとします。
そのとき、少なくとも「事件があった」という事実は存在するでしょう。
その事件は報道によって内容が拡散されるでしょうか。あるいはそもそも事件が発覚しないかもしれない。
しかし、僕たちが知ろうが知るまいが、「事件があった」という事実は唯そこにあるはずです。
……もしも伝え聞いた事件がフェイクニュースだったとしても、「事件がなかった」という事実が存在しうるでしょう。


ですが、うみねこ」はフィクションです。
最初から何もありません。「うみねこのなく頃に」という07thExpantion制作のサウンドノベル。それが事実じゃないですか?


もちろん、そんな話を聞きたいわけではないでしょう。
うみねこ」という物語の世界では、一体何が事実として存在するのか、というのが問いの趣旨のはずです。

 

言ってしまえば、僕たちは「うみねこ」という物語の世界の、全てを知ることができます。
あの物語がテキストで記述されている以上、テキストを端から端まで読み込めば宇宙の涯を見渡せるはずです。
スクリプト内の文字列を抽出したものをアカシックレコードと呼んでも差し支えはありません。

 

僕たちが読まされた、あのテキストの全部が、「うみねこ」の宇宙に事実として存在しているんです。
魔法バトルも、メタ世界も、黄金郷も、全てが「うみねこ」の宇宙に内包された事実なんです。

 

幻想描写は全部嘘であり、裏を読めば○○が犯行を行っている」というのは読者の憶測でしかありません。
確かに幻想描写は「ゲームマスターによる朗読」や「作中作内の記述」により説明できるでしょう。
しかし説明できるだけです。
僕たちが見せられてきたのは魔女の眷属による魔法殺人だったはずじゃないですか。なぜその裏を読もうとするのでしょう。
幻想描写は作中作だから、妄想だから、フィクションだから?

 

だったらどうして、フィクションである「うみねこ」に真実を求めるんですか?