ひぐらしのなく頃に業 考察 雛見沢症候群2.0(仮)について
■旧作の雛見沢症候群
雛見沢症候群は雛見沢村特有の風土病であり、その研究機関が入江診療所である
雛見沢症候群を発症すると疑心暗鬼に陥り、周囲に対して攻撃的な言動をとるようになる。これが末期症状に至ると殺人や自害などの異常行動に至る
また発症するとリンパ腺(特に首など)に異常な痒みを生じるのが特徴である
旧作では雛見沢症候群の発症者が凶行に至ることで惨劇の要因となっており、これがルールXと呼ばれていた
■雛見沢症候群2.0
「業」の雛見沢症候群は従来のそれと性質が異なっている
雛見沢症候群2.0の発症者は「古手梨花の殺害」を目的として行動するようになる
また旧作のような段階を経ずに、前日まで正常な思考をしていた人物が急激に末期状態まで至る場合がある(ただし旧作にも末期症状を引き起こすH173という薬品は存在していた)
発症者が古手梨花を殺害しようとする動機に共通点はない
逆に言えば、発症者が梨花を殺害する理由は何であっても構わない
魅音 連続怪死事件の黒幕だと確信したため
大石 連続怪死事件の黒幕だと確信したため
茜 雛見沢の鬼の血を絶やすため
公由 生贄にして祟りを鎮めるため
圭一 蛆湧き病(首の痒み)を治療するため
発症者の例外として「鬼騙し編」のレナが挙げられる
「鬼騙し編」のレナは、梨花の殺害を余所に圭一を襲撃したためだ
圭一が襲撃されたのは「鬼騙し編」「祟騙し編」の二つだが、どちらにおいてもフラッシュバックによる断片的な記憶継承が発生している
つまり「雛見沢症候群2.0の発症者の殺害対象は古手梨花個人ではなく記憶継承者である」と言える
「鬼騙し編」のレナは圭一を襲撃したが、返り討ちに遭い死亡する
翌日、古手梨花の死体が発見されるが、ループした梨花が圭一とレナの惨劇を知っている以上、梨花を殺害した犯人はレナではない(梨花と沙都子を殺害後に圭一を襲撃したわけではない)
「鬼騙し編」ではレナの死亡後に、別の発症者が梨花を殺害したと考えるのが妥当である
ちなみに漫画版の「鬼騙し編」では圭一が6月23日に遅刻ではなく欠席しているため、レナの襲撃が24日にズレている(アニメでは23日に襲撃して死亡)
さらに梨花と沙都子の死体発見も一日遅れており、レナの襲撃が一日ズレると、別の発症者による梨花の殺害もズレることが分かる
そして「猫騙し編」での赤坂、茜、公由、圭一発症パターンを見る限りでは、複数の人物が同時に発症しているケースは存在しない
以上から「雛見沢症候群2.0の発症者は常に一人だけである。ただし発症者が死亡した場合は別の人物が発症する」という推測が立つ
これにより「祟騙し編」で圭一を襲撃したのが本当に鉄平であった場合でも、鉄平死亡後に大石が急性発症したのだと考えられる
なお鉄平については薬を処方されている描写があるが、花粉症などのアレルギー性鼻炎だったのではないかという説が唱えられている。鼻炎のためアパートの異臭に気付かなかったのである
しかし本来であれば雛見沢村の住人に花粉症の患者はいない。症候群という寄生虫の影響でアレルギー反応が起こらないためだ
つまり鉄平が花粉症であるというのは、鉄平は雛見沢症候群が完治していることを意味する
また鉄平に限らず、他の雛見沢村住人も雛見沢症候群が完治している可能性も考えられる
であれば「業」の世界は、古手梨花という例外を除いて(理由は不明だが)雛見沢症候群が撲滅された雛見沢なのではないだろうか?
ここで雛見沢症候群2.0の発症者は、旧型の症候群を完全に抹消するため梨花の殺害に至るのではないかと考える。「鬼騙し編」などの圭一が狙われたのも同じ理由で「記憶継承者=旧型雛見沢症候群の感染者」であるからだと思われる
なお旧来の雛見沢症候群の寄生虫は宿主が死亡すると同時に消滅する(そのため研究には生体のサンプルを必要とする)
一方で雛見沢症候群2.0の寄生虫は、宿主が死亡しても別の人物に寄生することで生き延びるものだと思われる。つまり「鬼騙し編」でも宿主であるレナが死亡したため別の人物に寄生して発症させたという仕組みだ
また寄生虫は女王一匹のみで、複数の人物に感染することはない。そのため2.0に感染・発症していない村の住人に花粉症などのアレルギー症状が発生しうるというわけだ
つまり雛見沢症候群2.0の発症者は常に単独で、発症者=女王感染者である
仮に2.0の女王感染者を殺害しても、別の人物に寄生して発症させるため雛見沢村の全員を殺害しなければ意味がない