140字で足りないこと

最近「うみねこのなく頃に」を始めました。

ひぐらしのなく頃に卒 エウアの正体について

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ひぐらし業・卒に登場する謎多きキャラクター「エウア」
この記事では彼女について考察・予想していきます

 

◆名前の由来

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「エウア」という名前の由来は、「福音」を意味する「エウアンゲリオン」だと考えられます
福音とは「良い報せ」のことであり、「キリストの教え」または「キリストによってもたらされる人類救済と神の国に関する報せ」を表しています

 

また旧約聖書におけるアダムの妻「イヴ」ギリシア語読みでは「エウア」であり、こちらも名前の由来の一つと思われます

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「イヴ」という名はアダムによって名付けられたと記されており、ひぐらし業でエウアに名を与えた沙都子をアダムに見立てることもできるでしょう

 

◆ウィルス説

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ひぐらし世界における上位存在には、エウアのほかにも羽入・田村媛命などが挙げられます
羽入・田村媛命の正体は地球外より飛来し、人類脳内に寄生するウィルスであると「神姦し編」で明かされています


そして彼女たちウィルスの女王感染者は「巫女」と呼ばれ、特殊な能力を得ることができます
たとえば羽入の巫女である古手梨花は記憶継承によるループが可能で、田村媛命の巫女となった鷹野三四は身体強化による怪力を手に入れていました

 

羽入たちと同様にエウアの正体もウィルスであると考えるのが妥当でしょう
エウアの女王感染者、つまり巫女となった沙都子が記憶継承能力を獲得したのは本編で語られた通りです

 

◆「郷壊し編 其の四」のワードについて

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業21話では、エウアが沙都子に対して意味深な発言をしており、その中には「赤き海の星」「フィーア」「ミツヨ」「特異脊髄標本LD3105号」という謎のワードが含まれていました

これらのワードは全て「キコニアのなく頃に」に関連するものです

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「キコニア」は「ひぐらし」や「うみねこ」を含めた「when they cryシリーズ」の最新作であり、第三次世界大戦より百年を経過した「A3W」と呼ばれる時代を舞台にした物語です

 

●フィーアとミツヨ

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f:id:uminekolong:20210905002509j:plainキコニアには「フィーア・ドライツィヒ」という鷹野三四に瓜二つの科学者が登場します
「ミツヨ」という人名はキコニアにも未登場ですが、恐らくは「ジェストレス」という正体不明の女の本名だと思われます


●赤き海の星

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キコニアでは、第三次大戦後に訪れた核の冬の大気浄化を目的として、地球全域にナノマシンが散布されています
このナノマシンはエイトミリオンズシステム、通称8MSと呼ばれており、その用途は大気・水質等の管理から通信、医療、軍事にまで至っています

A3Wにおいては海の発色すらも8MSにより管理されていますが、何者かの悪意あるハッキングにより色情報のRGBよりGBの成分を削除されてしまい、その結果として地球上の海が真っ赤に染まることになります

 

つまりエウアの発言した「赤き海の星」とはキコニアの舞台であるA3Wの地球であり、エウアはそこで「フィーア」や「ミツヨ」と面識があったということになります


●特異脊髄標本LD3105号

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キコニアでは人体から脳脊髄を抜き取る「工場」のような施設が存在します
恐らくは脳脊髄から精神を抽出して電子化する施設であり、文明の終端に至った人類をより高次の存在に進化させるのが目的と思われます

「工場」のシーンでは、人類を新天地・楽園へ導くと宣言する謎の声の描写がありますが、その口調はエウアと完全に一致しているため、エウア本人と考えられます

なお「特異脊髄標本」というワード自体はキコニア本編でも未登場です

 

◆8MS説

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エウアの出自がA3Wであることから、その正体を「脳内に寄生するウィルス」ではなく「脳内に充満する8MS」と仮定します
エウアを8MSと仮定することで、感染者の記憶継承を「電子化された記憶の送受信」と捉えることができ、カケラを俯瞰する上位世界も電脳世界であると解釈できます

また同系統の能力を有する羽入の正体もウィルスではなく8MSであったと考えるのが妥当です

 

◆RGBについて

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「赤き海の星」の解説でRGB(光の三原色)に少し触れましたが、業・卒のOP映像からは、エウア・沙都子・梨花の三人が赤・緑・青と関連付けられているように見えます

f:id:uminekolong:20210905003733j:plainさらに業・卒では古手神社の紋のデザインが旧作から変更され三つ巴となっており、ここからRGBという三色を三つの勢力に見立てることができるでしょう

 

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また梨花・沙都子の「魔女の目」が赤色なのは、エウアの能力によるループだからであると思われます

 

◆赤の女王説

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業・卒では背景の描写が旧作から全て左右反転しています
このことから少女が鏡の世界に迷い込む鏡の国のアリス」がモチーフの一つではないかと予想されており、猫騙し編におけるハンプティ・ダンプティの描写がそれを裏付ける要素となっています

鏡の国のアリスには「赤の女王」というキャラクターが登場し、鏡の国に迷い込んだ少女アリスに対してチェスゲームに参加するよう助言します
先述したとおりエウアが赤色と関連付けられていることから、エウアと「赤の女王」の関連性も十分に考えられるでしょう

 

赤の女王仮説

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赤の女王仮説」は1973年にバン=ベーレンによって提唱されたもので、「生物の種は絶えず進化していなければ絶滅する」とする仮説です
鏡の国のアリスにおける「赤の女王」の「ひとところに留まっていたければ全力で駆けなければならない」という言葉に因んで名前が引用されています

また「赤の女王仮説」が生物的競争の側面から進化を説明するのに対して、非生物的要因(環境変動など)を重んじる説があり、こちらは「宮廷道化師仮説」と呼ばれています
「宮廷道化師仮説」という用語は「赤の女王仮説」に対して1999年にアンソニー・バルノスキーによって生み出されました

キコニアに登場する「ジェストレス」は「宮廷道化師」を意味しており、ここから「赤の女王仮説のエウア」と「宮廷道化師仮説のジェストレス」という対立構造が見えてくるかと思います

 

◆まとめ

ここまでエウアの正体を考察してきましたが、まとめると、エウアはキコニア世界のナノマシン8MSであり、「赤の女王」「赤の女王仮説」をモチーフとしたキャラクーであるということになります
そのため鏡面世界に迷い込んだ沙都子をゲームに参加させ、8MSを通じた記憶継承により「魔女」という高次の存在に進化させたのだと考えられます