140字で足りないこと

最近「うみねこのなく頃に」を始めました。

ひぐらしのなく頃に業 「電脳世界説」

※「うみねこ」「キコニア」のネタバレを含みます

f:id:uminekolong:20210109004508j:plain

鬼狩柳桜の解釈

f:id:uminekolong:20210108225255j:plain

祭具殿の立像に納められているとされる秘宝

その能力を簡潔に述べると「ループの断ち切り」である

古手梨花は殺されるたびに次のシナリオで目覚め、再び昭和58年6月を繰り返すことになるが、この鬼狩柳桜を用いて自害すれば古手梨花は二度と目覚めず、次の世界へとループすることはなくなる

 

しかし、厳密には古手梨花は世界をループしているわけではない

「100年を繰り返した古手梨花の意識と記憶」が「パラレルワールドに本来存在している古手梨花」を乗っ取り、上書きするという仕組みだからだ

f:id:uminekolong:20210108231455j:plain

猫騙し編」のループは6月12日に古手梨花が目覚めたところで始まるが、このとき意識は既に「100年を生きた古手梨花」に乗っ取られており、その世界に6月11日まで生活していた古手梨花の意識や記憶は上書きされて消滅しまっているということになる

 

であれば、たとえば古手梨花が「祟騙し編」の世界において鬼狩柳桜で自害しようとも、「猫騙し編」の古手梨花は意識が上書きされないというだけで、11日以前の古手梨花自体はそのまま12日以降も存在しているはずである

 

つまり鬼狩柳桜の能力は、正確には「記憶の抹消」であると言えるだろう

 

f:id:uminekolong:20210109003800j:plain

ちなみに紛失している鬼狩柳桜は雛見沢のどこかに隠されているはずで、「鬼騙し編」「綿騙し編」で入江診療所や園崎本家が捜索されていた

実際は既にバラバラに砕かれた状態で、沙都子の持つテディベアの内部に隠されているのではないかと考える

 

雛見沢症候群の解釈

f:id:uminekolong:20210108232029j:plain

雛見沢症候群とは雛見沢村の土着の寄生虫(ウィルス)によって引き起こされる風土病である。そのルーツは地球外にあり、つまり宇宙由来のウィルスである

村民全員が感染しており、また村に訪れただけでも空気感染する

通常は支障がないが、強いストレスなどの影響で稀に発症することがある

発症者は強い疑心暗鬼により攻撃性を増し、最終的には錯乱・発狂状態となる。またリンパが異常な痒みを発し、自害に及ぶこともある

 

f:id:uminekolong:20210108232143j:plain

オヤシロさま=羽入の正体は「雛見沢症候群の親虫」というべき存在で、これに感染しているのが女王感染者である古手梨花である

親虫である羽入は本来、雛見沢症候群をコントロールし、発症者を鎮静化する能力を持つが、旧作での彼女は不完全な状態であったためその真価を発揮できなかった

f:id:uminekolong:20210108232655j:plain

昭和58年の雛見沢症候群は弱体化しており、発症しない限りは日常生活に支障を来たすことはない

しかし古代においては非常に強力なウィルスで、「感染者=発症者」だったのではないかと考えられる

つまり発狂状態がデフォルトであり、女王感染者に寄生する親虫(羽入)が常に鎮静しなければならない状態だったのである

そのため感染者は女王感染者のいる雛見沢村を離れると発症し、そして女王感染者が死亡すると村民全員が集団発症してしまうわけだ

この解釈を採用するならば、高野一二三の仮説は少なくとも古代の雛見沢においては正しかったことになる

 

f:id:uminekolong:20210108233107j:plain

そして雛見沢症候群には記憶継承の機能も備わっていると考えられる
「鬼騙し編」「祟騙し編」で圭一が異なる世界の記憶を断片的に知覚しているが、旧作の「罪滅し編」ではより明確な記憶として知覚していた

基本的には断片的な記憶を継承する程度に留まっており、その記憶継承の発生自体も稀である。これは先述した通り雛見沢症候群は弱体化しているためだと考えられる

なお、この記憶継承をほぼ完全な形で行っているのが古手梨花ということになる

 

 

■上位世界の解釈

f:id:uminekolong:20210108234505j:plain

ひぐらし」を含めた「when they cry」シリーズにおいては、人間たちのパラレルワールド(カケラ)を俯瞰する上位の世界(メタ世界)が存在している

猫騙し編」で梨花と羽入が会話している場所こそが、そのメタ世界である

メタ世界に存在する者たちは、複数に渡ってパラレルワールド(カケラ)を知覚することができ、そのためニンゲンを超えた存在として「魔女」と呼ばれることがある

ちなみに「100年を生きた古手梨花」も旧作の「賽殺し編」で「魔女フレデリカ・ベルンカステル」を自称するに至っている

メタ世界は肉体・物質に囚われない精神的な世界であり、そのため魔女たちは自我を喪失すれば自然消滅する。自身の存在を確立しない限り存在し得ない世界というわけである

 

 

このメタ世界の正体が「電脳世界」なのではないかと考えるのが今回の記事の主旨だ

f:id:uminekolong:20210108235447j:plain

今回のアニメで、メタ世界の羽入が消滅する際、デジタル的なノイズの表現が用いられていた。これが単なる演出ではなく、意味を含ませた描写である可能性は否定できない

 

f:id:uminekolong:20210108235738j:plain

なぜならシリーズ最新作の「キコニア」においては、人類の意識や記憶を巨大な電脳サーバーに移植するというテーマが語られるからだ

「キコニア」の舞台は第三次世界大戦より100年以上経過した未来の世界であり、この超未来で誕生した電脳世界が「ひぐらし」「うみねこ」に存在するメタ世界の正体なのではないかと考える

 

つまり雛見沢症候群とは電脳世界にアクセスするための超未来のナノマシンであり、これに感染した(寄生された)雛見沢村の住民は死後に記憶を電脳世界にアップロードすることができるのである

そしてウィルスを通じて電脳サーバー上の記憶データをダウンロードするのが記憶継承の仕組みというわけだ

 

f:id:uminekolong:20210107005712j:plain

鬼狩柳桜の正体は電脳サーバー上の記憶データを消去するツールであり、このツールを用いて魔女フェザリーヌ(羽入の完全な姿)の記憶データを損傷させたことで人格変容が発生し、羽入の人格が誕生したのではないかと考えられる

この記憶データが修復されたことでフェザリーヌが復活し、彼女こそが「ひぐらし業」の黒幕ではないかと思われる